画像は毎日変わります
今週の元画像はこちらです
通訳の仕事の後日談というかおまけ話を。
最終日の夕方、本当に最後の最後の全体会議がありました。
全体会議は1200人以上収容出来る大きな屋外テントで行われるのですが、
締めくくりとして「この方たちがいなければ、この会議は成り立ちませんでした」と
会議のトップが「縁の下の力持ちスタッフ」をグループごとに紹介し、
思いがけず最後に「通訳の皆さんに拍手を」と言って下さったのです。
我々通訳スタッフは眩しいスポットライトこそ浴びなかったものの、
その場に立って暖かい拍手を全身に浴びました。
嬉しいとか充実感より、私は清々しさを感じていました。
ただその時に会場で拍手を浴びたのは40名。
14人はステージ裏のブースで仕事中。
あー、14人もここに立っていたかっただろうなあ、
まあ、せめて隣り合っているブース同士で親指立てて、
「やったぜ」ってニンマリ顔を見合わせているかしら、と、ぼんやり想像しておりました。
その後、夜のパーティの帰りに韓国人の彼女から例の話を聞いたのです。
「でも、最後にトップがああして紹介してくれたから少し報われたね」と言ったら
「私、あの時ブースにいたのよね」。
ありゃ、やっぱり。
「でもね。あの時のセッションだけ、ブースにカラフルな裸電球がぶら下がっててね」
「電球?」
「そーそー。カラフルな電球がね。
あの『通訳の皆さんに拍手を』という言葉と同時に、ピカピカ光って驚いちゃったわ
韓国ブースはグリーンで隣は黄色と青だったし、結構カラフルだったのよ。
私たちも拍手しちゃったー
だから・・・そうね、報われたわ」
ええー これは結構イキな計らいではないですかー
悲しい話の後だっただけにじんわり来ました
普段はテーブルライト一つとスクリーンモニターだけの暗い無機質なブースなだけに、
ペカペカ光る電球に驚いて笑顔を見せるメンバーたちの顔が浮かんできます。
進行表を見て音声係が気を利かせたのか、会議のトップから指示があったのか。
後者かな、やっぱり。
このトップは自身も数ヶ国語を操るらしく
言葉の重要性を非常によく分かっている人物なのでありました。
やはり世界的組織のトップになるだけの資質を備えているというべきでしょう。
外国語を話せない人口率の高いイギリス人、見習えよ。
しかし、彼女がついた韓国人のクライアントも、英語を話せなくても、
グループの皆の前で拍手をして彼女に感謝の気持ちを示すくらいは出来ただろうに。
各自の文化の違いはあるにせよ、ね。
通訳や翻訳の仕事に携わっていると
つい言葉の働きばかりに重きをおいてしまいがちだけれど、
言葉より行動で示せることはいくらでもある、
行動の方がもっとパワフルで直接的に表すことの出来るものがある、と
反省出来る良い機会に恵まれたとも思います。
日々の暮らし -私の仕事編- | CM(1) | TB(0)
戻ってきました、真ん中低めの平らな所。
帰りのタクシーの中から先ず見えたのは、お隣の垣根越しに見えたグラジオラスの鮮やかな色。
やったーーーーーー!!!!!
生きてるーーーー!!!
昨日ジャネットに会って話を聞いたらこの辺りは雨がよく降ったそうです。
「暑い日もあったけど、私も水遣りは2-3回したかどうかってくらい雨に任せてたわ」って。
もちろん雑草もぼうぼうに茂っているのでこれから手入れをしますが、
どれもまあ皆元気に立派に育ってくれていて「親はなくとも子は育つ、ってこのことか」って感じ。
私の背丈ほどに成長したグラジオラスもあってびっくり。
ちょっと予定していた外観とは違うけど、これからどう調整していこうか楽しみです。
庭の話はさておき、今回のお仕事の話を。
事前の打ち合わせでは逐次通訳だったのですが現場で会議・同時通訳になりました。
出来るという自信があったわけでは決してない。なんといっても未経験だったのだから。
他のチームメンバーの事情も色々あってそのように落ち着いたものの、毎朝祈っていました。
本当に、息を吸いながら吐くようなもので、頭の中は転換作業でフル回転。
一仕事終えると頭真っ白で、何を訳したのか覚えていないことも多々ありました。
翻訳の場合は締切ぎりぎりまで粘るし、
終わった後も「ああだったかも?こうだったかも?」と考えてしまったりするし、
「終わった後」という点では翻訳より通訳の方が気が楽かも知れません。
しかし集中力のない私は朝の2時間だけで一日分の仕事をした感じ。
普段は滅多に昼寝なぞしないのですが、この仕事の後はよく寝ていました。
時には翻訳の仕事も入ってきたのですが、
なんかね、チームの間でも、通訳より翻訳の方を皆やりたがっている感じでした。
実際、4人中3人(私含む)が普段翻訳の仕事をしていて、
会議中も訳す必要のない資料まで訳して配ってたりとか。
私も「あれ、それ私の担当分だったのに・・・」と、ちょっと悔しかったりして。
でも他の人の訳文もやはり勉強になるので良い機会でした。
個人的に、チームメンバーにもクライアントにも恵まれたのは本当に幸いでした。
悲しい思いをした通訳メンバーもいます。
全体会議の同時通訳ではなく、小さいグループでの逐次通訳を担当したメンバーでした。
10人弱の固定のメンバーが3週間毎日2時間近くディスカッションをするのですから、
そのグループには通訳とて欠かせない大事な存在です。
同時通訳よりも密な絆がクライアントと通訳の間に築かれることは言うまでもありません。
ですが・・・いずれも最終日の話。
一人は「クライアント同士が皆互いの名前を挙げて感謝し合っている中、
自分の名は呼ばれなかった」。
もう一人は「私の場合はもっとひどい」。
韓国人の若い女の子の通訳です。
「そのクライアントグループには私とフランス人の通訳がいて、
最終日、皆拍手して感謝を送ったのはフランス人通訳だけで、私には誰も見向きもしないの。
3週間ずっと一緒に同じグループで通訳してきたのに。
そのくせ、みんなでグループの記念写真を撮りましょうとなったら、
皆、自分の持っているカメラを私に持って来て『撮って』って。
私が皆と写っているのは一枚もないの。泣きたくなった」。
ひどい話である。
フランス人通訳は即座に彼女を慰めに来てくれたが、
クライアントのその態度はやはりいかんせんともしがたい。
「蔑視」とは言わずとも「軽視」には違いない。
「通訳をやっていたら一度や二度は経験することなのよ、きっと・・・」と
言う程度の慰めしか出来ませんでした。
彼女はとてもきれいな英語を流暢に話す、頭の良い、そしてとても若いのに丁寧な人。
しかしそんな彼女であっても「オリエンタルの女性だから、そういうことはあるのよね」と、
コーディネーターは言っていました。
私もこれから通訳の仕事をするうちにそういう場面に遭遇することもあるでしょう。
しかし、経験も年齢も積んだ私は、
「皆さん、最後に一言。通訳として皆さんにお仕え出来て、楽しかったです。
御役に立てたなら幸いです」
などと言ってPRするくらいの厚かましさは十分備えていると思います。
日々の暮らし -私の仕事編- | CM(3) | TB(0)
通訳の担当時間でない時は資料片手に会場内をウロウロしている。
ヒール+勤務時代と同じようなパンツスーツを着用しているので、
やはりなんとなく製品発表会なんかの感覚が蘇って来て背筋が伸びる。
ついでに、4月に買ったPCを持ち込んで事務処理もばりばりやっている。
50人以上の通訳をまとめるのに、管理者の一人はPC音痴、
もう一人は、なぜ彼が管理者をやっているのか謎の深い「とっちゃんぼーや」で、
二人が持っている名簿のファイルがそれぞれ違うわ、表計算をワードでやるわ、
嘘をつきまくるわ(とっちゃんぼーや)、通訳者間で全然情報がいきわたらずで、
毎朝毎晩「このセッションは誰?」「どこでミーティングがあるって?」と皆して右往左往。
私こういうの苦手なんです。
大体、ペーパーレスとか言いながらやたら無用のプリントが回ってくるし。
最初は「大変そうだな、何かお手伝いできるかしら」と思っていたけど、
次第に自分が嫌だからやらずにいられなくなってきたのである。
私だけでなく、他の通訳仲間たちもとっちゃんぼーやの嘘に振り回されてイライラしてきている。
あの人に聞いたり頼んだりするより自分たちでどうにかした方がいい・・・そんな雰囲気。
とっちゃんぼーやは事務所の一角を自分好みにしあげて悦に入っているだけで仕事はしない。
ヘタに手を出して失敗をやらかしてばかり。
「いるよね、こういうオヤジ。窓際族で『窓の方が眺めがいい!』って自慢する人」って感じかな。
てめぇ どこかで昼寝でもしてろ!
蹴っ飛ばしたらボーンボンボン・・・とどこまでも転がって行きそうな丘の上が仕事場です。
景色が良く緑の多いところなので移動時間だけでも息抜きはばっちりです。
やっぱり自然はいいねぇ〜。
そんなこんなで、なかなか良い感じで1週間が過ぎました。

日々の暮らし -私の仕事編- | CM(2) | TB(0)
この3週間はイギリス国内で会議通訳のお仕事に従事します。
実務とアルバイトで通訳をしたことはありますが、同時通訳はまるきり初めて。
2日間のトレーニングを終えた今、
実務でやっていた逐次通訳なんてレベルが全然違うということを
骨の髄まで思い知らされました。
別の脳をセットしないといけない感じ。
4年前、翻訳エージェンシーに片っ端からトライアル&登録していた時、ある会社から
「(ひ)さんは翻訳学校に通われたり実務での翻訳経験はおありですけど、
翻訳での修士の学位ですとか検定資格はお持ちではないですよね。
それじゃだめなんです」
と、きっぱりと電話で言われました。
翻訳学校の1年目のコース修了時に優秀生として2年目の特別待遇もあったとか、
そんな程度のことはてんでお話にならないわけで、
トライアルも受けさせてくれないエージェンシーに対して、
その時はかなり納得していない節があったんです。
一応大学院を調べたりもしたんですが、なんせ学費が高いし、
家から通える範囲にはなかったので諦めていました(独身だったら行ってたかも)。
でもやっぱり通訳も翻訳も、専門課程が存在するだけのことはあると、本当に思います。
明日から本番です。
がんばってきまーす。
(なんか「がんばる」って新鮮です・・・私にとって)
日々の暮らし -私の仕事編- | CM(3) | TB(0)
今でこそ翻訳のお仕事をそこそこいただけるようになったけれど、
渡英当時はなかなか難しかったし、とりあえずは勉強を続けるとして、
何かしていたかったのでした。
昔からファンだったベトナムの刺繍の素敵なバッグ屋さんに、
イギリスの代理店になりたいと簡単なビジネスプランを書いて打診してみたりもしました。
しかしその時点でそのお店は日本以外の海外代理店の大元を
exclusiveでアメリカの会社と契約してしまったのでイギリスへは直接卸せない、
ベトナム→アメリカ→イギリスという経由だとお金も時間もかかって現実的でないと言われ、
断念せざるを得ませんでした。
鬱状態の夫と二人、まだ友達もなく、仕事もなく、収入もなく。
どんよりとしたイギリスの空の下で生活しながら「やっぱり何かしていたい・・・」。
そんな思いでいる時にウェブを開けば目にはいってくるのは「在宅ワーク」の広告の波。
魅力的なキャッチフレーズがたくさん並んでいますよね。
「長年ブランクのあったこんな私でも」とか。
「PCスキルをいかして」とか。
私を誘っているとしか思えなーい。
と思う人多いですよね、きっと。
それでイギリスから日本の在宅ワークに資料請求しました。
以下、その体験談です。
去年下書きしてあったものです。
日々の暮らし -私の仕事編- | CM(2) | TB(0)
comment
